森崎製麺所 危機が生んだ幸運

森崎製麺所 生産者

淡路島の南、南あわじ市の福良という港町に点在する素麺の製麺所。
現在も江戸時代からの伝統を守る14の製麺所が残っており、盛んに手作業での製麺が行われています。

なぜ淡路島で素麺なのか

淡路島の素麺は、もともと江戸末期に、奈良県の三輪から伝えられ、最初は漁師の冬の副業としてはじまったのが今にいたります。

一時は80軒以上もあったといわれる製麺所も、時代の食の変化とともに減少し、いまでは淡路手延素麺協同組合に加盟するのは、14軒だけになってしまいました。
その14軒も、高齢化や後継者の問題から、近い将来その存続自体が危ぶまれています。

森崎製麺所

淡路手延素麺が唯一無二の素麺である理由

森崎製麺所

おのころ糸・・・ほとんどの人が食べたことのない素麺。

太さ約0.4mmは想像しにくいかも知れません。もう少し具体的に表現すると、一束に750本もの素麺が包まれています。

高級品と言われるもう一つの代表銘柄「御陵糸」、これは「おのころ糸」より一番手太い素麺。太さが約0.7mmで一束が450本です。
普通はこれでも「細い!」と言われます。
なので、どれだけ「おのころ糸」が細いか、想像できると思います。

冬、いちばん寒い時期だけの製造

素麺は細ければ細いほど、製麺に高い技術と経験が必要になります。これは機械によって自動化された製麺所では、絶対に作れない領域です。

ではなぜ、淡路島の最南端にこの技術がひっそりと残ったのか。
それはもともと規模が小さな家内工業的であったことと、乾麺自体の市場規模の縮小により、急いで機械の導入が必要なかったという理由などがあげられます。

機械には、ここまで細く細く素麺を仕上げることができません。
手作業だから「おのころ糸」が現代でも作り続けることができるわけです。

しかし、いま「おのころ糸」を製造できる職人さんは、3人しかいません。
その一つが森崎製麺所です。

森崎製麺所

上の写真は、「おのころ糸」が最終の0.4mmに仕上がり、乾燥をまっているところです。このあと、素麺の一般的な長さである19cmに切られて、木箱の中で静かに一年間の眠りにつきます。これは熟成を極めるための時間で、これによってこんなに細いにもかかわらず、信じられないようなしっかりとしたコシとツルツルの食感が生まれます。

こんなに細いのに食べた食感は、太い手打ちうどんにも負けてないところが、ちょっと信じがたいぐらいです。

同じ50グラムの麺
口の中の
すごく太いうどんの50グラムと
すごく細い素麺の50グラム。
この違いは体験しないとわからない。

見つけたらラッキーな素麺

このような手のかかる素麺なので、3人の職人さんが作るその数は限られます。
そして殆どが高級料亭などのお得意先に納品されますので、スーパーやお土産物屋さんで見かけることは、ほとんどありません。

森崎製麺所

代々受け継がれる森崎家の製麺業、名人と言われる森崎英毅さんの息子達也さんがその伝承者でありいま「おのころ糸」を守るもっとも若い職人です。

「おのころ糸」にご興味のある方は
森崎製麺所では直売もしております。
お問い合わせください。
森崎製麺所 兵庫県南あわじ市福良乙546
TEL:0799-52-0893 FAX:0799-54-0270