淡路島食品図鑑 プロローグ編 食料自給率と食品ロス

vegetable 食品

食料自給率とは、国内の食料消費が、国産でどの程度賄えているかを示す指標です。

農林水産省 食料自給率とは

手軽に時短で食事を済ます流れがますます強くなる中で、「食育」をすすめる企業や団体も活動も活発になっています。

日本の食料自給率

食料自給率
農林水産省

食料自給率、上のグラフの「生産額ベース」と「カロリーベース」がよくニュースで扱われている数字です。

一般的に食料自給率は「カロリーベース」のことを指して言う場合が多く、単純に言ってしまえば、平成30年度は 100%-38%=62% ということで、食料の62%が輸入食材だったということです。

これは大変!だとよく騒がれたりしますが、
「データのとり方がどうなんだ?」
「他の国のように生産額ベースをメインに見るべきだ!」
という専門家も多いようです。
国産と輸入を、金額で表しているのか、カロリーで表しているのかの違いで、生産額ベースは国内の食料生産額÷国内の食料消費仕向額です。
ちなみに、カロリーベースは38%、これが生産額ベースだと66%と大きな差があります。

食料自給率
農林水産省

じゃあ、他の国に比べて日本はどうなんだ?という話。

圧倒的に面積の広い国が有利!そして肉の消費が多い国は、肉自体がカロリーが高いためカロリーベースの食料自給率が増えます。反対に日本みたいに野菜を多く食べる国は、野菜そのもののカロリーは低いために、上のグラフのような結果になっているとも言えます。これはぼくの仮説ですが、日本のカロリーベース食料自給率が低いのは、カロリーの低い国産野菜中心の食事内容で、肉は輸入肉の比率が高いためという感じがします。(間違ってたらごめんなさい)

淡路島の食料自給率

ぼくが3年間、南あわじ市に住んでいたあいだ、ずーっと聞いてきた話、

「淡路島の食料自給率は100%以上だ!」

というのがあります。市役所に居ながら、この根拠を一度も調べたことが無かったのですが、あらためてWebで検索して調べると

淡路島食料自給率

平成23年1月31日 「あわじ環境未来島シンポジウム」の資料が見つかりました。主催は兵庫県、共催は洲本市 南あわじ市 淡路市ということです。100%というのが、それなりに根拠のある数字でした。

よかった。

この数字が驚異的で、
・食料自給率カロリーベース 104%!
・食料自給率生産額ベース 333%!(どちらも2009年数値)

恐ろしいほどの高い食料自給率。

ですが、田舎で農業や漁業、畜産が盛んな小さな地域を切り取ってデータをだせば、案外どこでもこのぐらいの数値が出るのではないのか?

そんな疑問も生じます。そこでもう少し細かく見ます。

都道府県別食料自給率
農林水産省

農林水産省の都道府県別食料自給率です。

カロリーベースで食料自給率が100%を超えているのは、北海道、青森県、岩手県、秋田県、山形県、新潟県。
生産額ベースで食料自給率が100%を超えているのは、北海道、青森県、岩手県、秋田県、山形県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、和歌山県、鳥取県、島根県、徳島県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県。

逆に、食料自給率がとんでもなく低いのが、東京都、神奈川県、大阪府。

農業、漁業、畜産の盛んなイメージがある都道府県の食料自給率が高いのが、ひと目でわかります。そして大都市圏は食料の生産が殆どない。

ひとつ見えてくるのが、食料自給率が100%を超えた分は、100%以下の地域へ食料を販売するという経済活動が存在していることです。
よって、ぼくが過去にしてきた南あわじ市での、淡路島のたくさんの食材を東京・大阪の大都市へ届けるという事業は、このデータからだと的を得ていたということになります。

ついでに、もう一つ見ていただきたいのは、兵庫県の食料自給率。
・カロリーベースで、16%(淡路島104%)
・生産額ベースで、38%(淡路島300%)

どちらも全国平均(カロリー38%-生産額66%)を大きく下回っています。
なのに、兵庫県にある淡路島は、カロリー100%-生産額300%です。ぼくも住んでいた経験から「どんだけ農業に力入れてんねん!」と強く思いますし、家を一歩出たら、どこもかしこも田畑です。(とくに南あわじ市)

そう!タマネギだらけです!
みなさんのイメージは、まちがっていません!
淡路島、とくに南あわじ市はタマネギで出来ているのです!

食品ロス

食べずに棄てられる食品、その中でも「まだ食べられる」のに棄てられる食品のことを食品ロスと言います。

日本では、年間2,759万トンの食品廃棄物等が出されています。このうち、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は643万トン。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(平成29年で年間約380万トン)の1.7倍に相当します。また、食品ロスを国民一人当たりに換算すると”お茶腕約1杯分(約139g)の食べもの”が毎日捨てられていることになるのです。「もったいない」と思いませんか?

消費者庁

頻繁にメディアでも取り上げられる大きな問題です。
「だったら輸入食材をやめて国内産にすれば、食料自給率も上がるし、全体量が減るわけだから食品ロスだって減るじゃないか!」なんて意見も当然あるわけですが、小麦や牛肉、どうですか?国と国との政治の問題もあるので、難しい問題です。単純に全国民の食事を学校給食のように「人数分だけ」とはいかない部分があります。

あとスーパーに行って、今日売れる分だけの食品しか並んでないような、スッカラカンの陳列。買う気しますか?本来はそうあるべきなのでしょうが、あれもスーパが日々データを取り続け、売上と利益の最大化を計算した結果、あのような陳列になっているのです。

ぼくは「ロスが出て当然、それも利益のうちだ」と言っているのではありません。もちろん今後も減少に向かうよう努力はし続けなければなりませんし、余った分を、もっと有効利用できる技術の開発やそれらに関わる資金も必要だと考えています。

そこで見ていただきたい写真があります。

南あわじ市 キャベツ

キャベツです。

名前に問題があるのではありません。

農家さんで見つけたのですが、このキャベツは農協さんに出せないため、廃棄になります。そう「食品ロス」なのです。テレビで見たことある人もいると思いますが、畑で山積みして農機具で潰して土と混ぜてしまう、あの映像の通りになるのです。

今回は、ぼくがそうなる直前で購入したので、うちの ”お好み焼き” や ”焼きそば” に使うことができますが、それは凄い量の中のたった1個だけです。

「市場に出せない理由があるんだろ?」

もちろんあります。

この続きは次回の「淡路島野菜図鑑」で書きますので、よかったらまたお越しください。